2022年度
公益社団法人茅ヶ崎青年会議所
第55代理事長 望月信史

《 スローガン 》

実現力~BELIEVE IN ALL WHAT YOU GOT !

《 基本理念 》

失敗を楽しめる強い心を持ち、挑戦し、やり遂げることにこだわろう。
自分にできることは、自分を変えることだけだ。
自分の可能性を信じ共に進もう、やりきった先の景色まで。

【はじめに】

 新型コロナウィルスのまん延が長期化し、社会に大きな影響を及ぼし続け、社会活動が制限されている一方で、世の中ではコロナ慣れの状況が顕著に表れ、人流の抑制が困難となるなど、混沌とした時代になりつつあります。また、デジタル化が加速度的に進み、新しい生活様式を伴い、対人コミュニケーションのあり方等の今まで常識とされていたことを見直す機会となっているとともに、地方自治体に与えられた役目は多く、持てる資源をもとに柔軟な対応が求められています。一方でコロナ禍以前から顕在化している、少子高齢化、貧困、環境問題、ジェンダー問題をはじめとする様々な格差の問題、大規模な自然災害等の社会課題についても、同時進行で目を向けていかなければなりません。コロナ禍で獲得した変化を有用性の高い一つの手段と捉え、後戻りすることなく、多種多様な活動をしている主体的な人々が、お互いに強みを提供し、補い合いながら、社会課題解決へ取り組み続けなくてはなりません。

 茅ヶ崎市においても、それらの課題は、地域経済や地域コミュニティの弱体化、市民の暮らしにも影響を及ぼし、地域全体の衰退を招く恐れがあります。加えて、新型コロナウィルス対策に係る費用増や税収入減により、大幅な見直しが急務となり、今まで行なわれてきた様々な行事や事業にかかる支出の削減や中止せざるを得ない状況となっています。まちに住み暮らす人達にとって、一層の我慢を強いられる一年になることが2022年度も引き続き予想されます。しかしながら、人口数を見てみると、コロナ禍による都心から地方への転入の流れもあり、茅ヶ崎市の人口数は2021年1月時点で過去最多を更新しています。テレワークの普及による働き方の変化により、生活の場の選択肢が多様になり、地方にとっては、人を呼び込む絶好の機会となっています。

 こんな時代だからこそ、私たち青年世代の役目は大きいと考えています。多くの市民が魅力を感じている地域であるからこそ、多種多様な人たちに選んでもらい持続可能な地域にするためにも、今の魅力を守りつつも新しい価値観を積極的に取り入れ、新たな魅力を作り上げる必要があります。そして、そのためにも主体的なつながりを深化させることに加え、自分たちのまちは自分たちでつくるという主体者意識を持つ人の輪を今以上に拡げるとともに、将来を担う子ども達がまちを形成する主体者として豊かな人間性を兼ね備えた人財に育ってもらう必要があります。

 本年度、私たちJCI茅ヶ崎は、魅力開発、地域ネットワークの確立、青少年育成の3つを軸に大胆なチャレンジをしながら運動を展開して参ります。また、私たちの運動を効果的に展開し、共感をもってもらうためにも、私たちのあり方を自問自答しながら、組織改革を率先して取り組んで参ります。めまぐるしく変わる情勢の中、柔軟な姿勢を持ち、2022年度は想いの実現にこだわり、全力で行動を起こして参ります。

【茅ヶ崎の魅力開発】

 どうしたら、他の地域との違いが生み出され、選ばれる地域になるのか。シティプロモーションの観点から考えると、地域にブランドイメージがあり、コンパクトシティの利便性やスローライフな風土から比較的市民の定住意識も高い茅ヶ崎においては、転入者を呼び込むためにも、まずはいかに交流人口を増やすかが、重要な視点です。では、茅ヶ崎に訪れてもらうためには、どうすればいいか。それは、分かりやすく魅力的な地域的特性が重要になってきます。茅ヶ崎には、住んでみて初めて分かる住みやすさ、人の良さみたいなものがあると感じています。しかし、茅ヶ崎を訪れる人にとって、どんな体験ができるかと考えると、夏の海以外にまだ特徴的なものはなく、茅ヶ崎に訪れる明確な目的が少ないと言えます。

 そこで私たちは、まずは地域にどんな特徴的な資源があるのか、しっかりと向き合い、それを発掘し可視化することで、新たな価値を作り出すことを目的とした事業を展開します。さらに、前例に捕らわれることなく、地域の資源と人の魅力を最大限に活用し、私たちの目線で、様々な人と連携しながら、これを食べるために、これを見るために、これを体験するためにといった分かりやすい茅ヶ崎ならではの体験型観光資源を創ることを目的とし、フィールドワークにこだわりながら、大胆にチャレンジした事業を展開し、茅ヶ崎市内外に発信して参ります。

 対面の交流やまちの余暇の取り組みが制限され、様々な行事や事業が実施できないときだからこそ、茅ヶ崎の魅力を見つめ直し、新たな価値として昇華させる絶好の機会であると捉えています。多種多様な人が集まるまちであるからこそ、多様な挑戦が生まれ、受け入れられる循環が起こり、発展的なまちになることで賑わいのある魅力的な茅ヶ崎を実現して参ります。

【地域ネットワークの確立】

 多種多様な人や文化を受け入れる自由な雰囲気が魅力的な地域であるからこそ、子どもから大人まで誰もが自分らしく暮らすためには、茅ヶ崎のまちづくりに対し、主体的な視点を持ち連携していくことが持続可能なまちを作り上げる必要な要素です。しかし、地域の課題は、ライフスタイルの多様化や地域コミュニティの希薄化により、今後より一層複雑化してくるでしょう。様々な視点で地域課題を捉えるためにも、今まで以上に地域社会が連携し協働していかなくてはなりません。

 私たちは、2019年に茅ヶ崎市とSDGs協働推進宣言を行い、JCI茅ヶ崎独自の茅ヶ崎エコシティ推進宣言のもと、エコ活動を重要課題と位置づけてきました。本年度は、今一度、SDGsの観点からエコ活動の推進を徹底的に進めながら、地域ネットワークの構築を目的とした事業を展開して参ります。もちろん、一朝一夕では、関係を築くのは難しく、誠実に地道に取り組みを継続していくことで私たちの運動をまちの人に伝播し、自分たちのまちは自分たちでつくるといった高い意識をもつ主体的市民の輪が形成され、さらに共に助け合う好循環の関係構築を実現して参ります。

【子供達の未来のために】

 茅ヶ崎市は、都心へのアクセスの良さ、コンパクトシティの利便性、豊かな自然やまちの持つスローライフな風土に魅了され、近年多くの人が茅ヶ崎に移り住み、働き方の多様化に伴い、2021年は過去最多の人口数となっています。また、定住意識も高く、市民の満足度は高い水準となっています。しかし、近い将来には全国的な傾向と同様に緩やかに人口減少に転じることが予想され、少子高齢化と相まって、まちの未来を担う若者の力が減少してきてしまいます。未来を切り拓き、持続可能なまちであるためには若者の力は必要不可欠であり、まちに誇りと愛着を持った主体的な若い世代を1人でも多く育てていかなくてはなりません。

 そのためには、子育て環境への取り組みが重要な切り口となってきます。このまちが親にとっては、魅力的な子育て環境であり、子供達にとっては、忘れられない出会いや体験を通じ、自立した大人へと成長できる環境である必要があります。

 本年度は、コロナ禍で茅ヶ崎の良さや良質な出会いを体験しづらくなっている子供達に対し、親を含む様々な大人とともに、茅ヶ崎の魅力ある資源を存分に活用し、愛郷心を育む事業を行います。また、障がいのあるなしに関わらず、多種多様な人との出会いや真剣に向き合ってくれる大人との交流を通じ、豊かな人間性を育むことも大切にしていきます。

 このまちの魅力に触れた子供達は、茅ヶ崎というまちをもっと好きになる。そして、多様な人との出会いにより、様々な価値観に触れ、知ることで、他者を思いやる心に繋がり、魅力的な大人との出会いは、大人への憧れに変わり、人生の選択肢を増やしてくれます。茅ヶ崎の子供達が大人になるにつれ、人生の岐路に立ったとき、自らの意思で自分の人生を切り拓く、未来を生きる力を育み、主体的な人として成長し、茅ヶ崎を牽引する人財になる。子ども達の未来へ繋がる原体験を実現して参ります。

【強いJCI茅ヶ崎へ】

 様々な地域の課題に効果的に取り組み、成果を生み出すためには、多様な視点を掛け合わせる必要があり、つまりは一人でも多くの人財が必要なのは言うまでもありません。

 本年度は、会員拡大を最重要課題とします。まずは、私たちの存在意義を今一度見つめ直す機会を作り、茅ヶ崎の若者は何に人生の価値を見いだしているのか、ときには組織外の声にも積極的に耳を傾けて参ります。今まで築いてきた伝統と新しい価値観、発想を融合させ、自らの言葉で魅力を語り、体現できるようになることが、会員拡大活動に力を与えてくれるはずです。画期的なテクニックはなく、確固たる決意を持ち、組織全体で地道な活動を続けるしかありません。まだ見ぬ仲間たちと積極的に交流を持ち、魅力を伝え、共に地域を牽引していく人財へと成長する夢を語り、入会へ導いて参ります。多様な背景をもった人財が切磋琢磨することで、私たちの運動の幅が広がり、さらに魅力的なまちづくり運動を実現していきます。

 また、新入会員にJAYCEEについての学びの機会を提供し、活躍の機会を提供していくことも組織力の底上げには重要です。そのために、機動的な研修機会を展開し、茅ヶ崎のまちや青年会議所についての理解を深めるとともに、新入会員同士の連携を強め、共に切磋琢磨することで、まちに貢献できる人財として成長するはずです。新たな仲間と共に魅力ある茅ヶ崎の実現に向け邁進して参ります。

【組織イノベーション】

 今は多様性を重んじ、自己実現や生活の質の向上を求める社会になってきています。まちづくり運動を展開する上で、私たち自身が率先して仕事や生活、多様な生き方を受容し、歴史を重んじながらも新しい価値観を積極的に取り入れる組織でなくては、共感を生みだすことはできません。

 本年度は、対外の価値観に触れながら、自分たちのあり方をしっかりと定め、日頃からの振る舞いや所作に至るまで、大切な本質は残しつつも、多様な人財が主体的に活躍できる組織作りを進めていきます。そして、SNS時代においては、法令遵守はもちろんのこと、個人情報の取り扱い、各種ハラスメントや差別的な要素にも十分に配慮し、コンプライアンスを重視した組織運営を行なって参ります。また、私たちの運動の想いを伝えるためには、まずはJCI茅ヶ崎に興味を持ってもらうことが重要です。本年度は、分かりやすさとエンターテインメント性にこだわり、外部と広報連携を進めることで、認知度をさらに上げることに注力をして参ります。また、神奈川県内をはじめ、全国の青年会議所会員との出会いにより、多様な価値観に触れることができる絶好の機会として、各種大会、事業には積極的に参画、活用し、JCI茅ヶ崎メンバーの成長に繋げて参ります。さらに姉妹LOMであるJCI津と積極的な交流を行い、歴史的、文化的背景は違えども、困難な時代に運動をする同志として、助け合いながらも切磋琢磨できる関係を築いて参ります。

 私たちJCI茅ヶ崎は、翌年には創立55周年を迎えます。今後も発展的に茅ヶ崎のまちに貢献できるように、コロナ禍で獲得した経験を踏まえ、多様な人財が活躍できる体制を築くために組織イノベーションを実現致します。

【結びに】

 人の成長は、ものごとを自分事として捉えられるかによって左右されます。何かのせいにしたくなるこんな時代だからこそ、自分がどうしたら、どう変わればより良くなるのか。沢山の障害や困難は、ポジティブな思考転換によって、人を大きく成長させてくれます。

 目の前に大きな壁が立ちはだかっています。この壁を乗り越えた先にはどんな景色が待っているのでしょうか。何をやってもなかなか上手くいかない世の中なのだからこそ、いくらでもチャレンジができます。不安定な時代だからこそ、私たちの存在意義があるのだと思っています。私たちは、挑戦できるこの時代を思い切り楽しんで参ります。ワクワクこそが、自分の心を動かし、他者の心を動かす原動力になります。今は、地域にJCしかない時代でも、JCにしかできないことがある時代でもありません。けれども、JCだからこそ、失敗を恐れず挑戦ができる機会があり、茅ヶ崎のまちを今より少しでも良くできる可能性があるのであれば、臆することなく行動をして参ります。その経験が私たちに成長を与え、自らが運動を起こせる人となり、さらにまちのために、誰かのために、力を発揮できるようになると信じています。

 私たちの運動からたくさんの共感が生まれ、茅ヶ崎のまちに多種多様な価値観を持つ人が集い、それぞれの個性が受け入れられることで、新たな文化が創造され、一人ひとりの時間がゆるやかに流れる「創造と革新が溢れるスローライフなまち」へと繋がると確信します。

《 事業計画 》

  1. 会員拡大(組織力向上特別会議・全体)
  2. 関係諸団体と連携したまちづくり事業(全体)
  3. 会員研修及び新入会員研修(全体・組織力向上特別会議)
  4. 愛郷心醸成事業(未来アドベンチャー委員会)
  5. 茅ヶ崎の魅力開発事業(ちがさき開発委員会)
  6. 地域ネットワーク確立事業(つなちが委員会・全体)
  7. エコ活動推進事業(つなちが委員会)
  8. 湘南4LOMまちづくり事業(つなちが委員会)
  9. コンプライアンスを重視した組織運営(総務委員会)
  10. 各種大会への参画及びLOM内外の交流事業(総務委員会・つなちが委員会)